映画

ミストThe Mist2007年【米】  5点
最後のオチも想定内だし、閉鎖空間に襲ってくるくもとかモンスターの怖さは、漂流教室とかバイオハザード以下だし、凡庸なレベルではないかな。ただ、ラストを凡庸だと思うのは、自殺とかありがちに思うからかも。自殺って人間だけに許された現実逃避の方法じゃないだろうか。あぶないかな。動物はどんなに苦しくても最後まで耐えるしかない。そして、自殺したとたん宝くじがあたっていたとか、そんな皮肉な結末のオチは誰でも考えるだろう。だからオチもありがち。あと、宗教おばさんについていく人々の心理がいまいちわからない。米国特有の宗教的集団心理の深層がかかわっているのか。あの空間に数日いたら頭がおかしくなるだろうし、苦しいときの神だのみで神にたよろうと思うかもしれないが、日本人の場合、あのおばさんにはついていかないだろう。言ってることがピントはずれでおかしいし。いや、そういえば日本もかなり変わった宗教団体でも繁栄しているし、どうなんだろうか。

バンテージ・ポイント Vantage Point 2008年【米】 6点
時間を巻き戻しては、同じ時間におこったことを人物を変えて描く。そうすることで少しづつ話が見えてくる構造。意外とこういう描き方がなかった。黒澤明羅生門の場合は、よく似ているが、これは各自が違う回想で真実がわからなくなっていくから。ただ、シンプソンズとか軽めの作品ではよくにた構造の話を見たことがある。普通の時系列の形式で描くとシンプルでつまらない話だったかもしれない。一人称的な視点なので、その人物の周辺の事情しかわからず必ずミステリ的な謎が残る。時間をまきもどして別の人物視点が補われてその謎が解けていく快感がある。