の憂鬱

ハルヒって、なんでヒットしたのだろう。
エヴァのときも、なんでみんな騒いでいるのかさっぱり理解できなかった。
そういう意味で、気になっている作品だ。
http://www.animenation.net/news/askjohn.php?id=1351
の要約。
■質問:前のコラムで、涼宮ハルヒの憂鬱を大ヒットだといっていた。実際、アマゾン日本では、一度一番売れたCDとして、エンディングテーマを目玉商品にした。しかし、"アニメ産業はどれくらい創造性を促進しているか?" 
http://www.animenation.net/news/askjohn.php?id=1347
で、その作品は、容易に売れるキャラと、小手先の工夫、私が話をする他のアニメファンたちによって反映される評価を活用しているといっていた。
正確には、そのシリーズの成功は、なにが原因なの?
/* ここのとこ、訳がひどすぎ。orz */
■答え:放送されて三ヶ月で国際的な興奮を呼び起こした。谷川の小説も秋葉原で在庫切れになった。
エンディングテーマのCDもベストセラーになり、コマ撮りでガンダムが踊るパロディも出た。
/* youtubeでやってた */ 同人誌もたくさんでた。英語圏のファンたちは、強烈な関心を持っていた。
この作品は、つまらない日常に興味がなく、別世界の興奮を求める変な団長がひきいる高校のクラブのメンバーについての陽気な実生活の一片を描いている。
ハルヒなとっぴな行動、彼女の引き立て役の常識的な意見などに主に風変わりなユーモアがある。
流れるように動くアニメの品質もあった。時系列じゃない変な放送順序。
/* DVDじゃまともな順序になるらしいけど。 */
決定的に風変わりなのは、キャラの本当の性質だが、それは、さけたいネタバレだ。
個人的に入り混じった思いがある。
議論の余地なく、アニメの品質があり、好感のもてるキャラがいた。
デザインも色使いも華やかだった。エンディングもよかった。
活発な雰囲気、多様な配役は、シリーズを生き生きとさせ、楽しくさせた。
しかし、謎の持続のためにキャラの動機、思考への洞察はほんの少ししか視聴者に与えられなかった。

ふつうの、時系列ですすむ、アレックス IRREVERSIBLE 2002年【仏】、Momento、パルプフィクション、 のような映画は、緊張感を高めたり、だんだんとネタをばらしていくように注意深く組み立てられている。ハルヒはどっちもできてない。
話の核心から始まる倒叙法で、突然新しいキャラを紹介する新工夫は、そのお遊びがわかったあとなら面白いが、話が突然過去に飛んで、文字通り話が逆行しているみたいだ。
過去に飛ぶのは、視聴者を混乱させるだけではなく、キャラを性格描写する前の皮相なキャラに戻し逆効果だ。
あとで、過去の出来事について情報を与えられることは、そうだったのかという瞬間のひらめきをもたらすが、過去の出来事がどう影響するのかわかりにくいので、視聴者を混乱させる。
バラバラな話の構成。各話は、カプセルに包まれているようで、キャラの発展の感覚がない。
主なできごとは、文脈を失い、未来への影響も説明されないので、孤立してあり、結局重要でないように見える。
時系列がランダムなので、パズルとしては楽しいかもしれないが、キャラの成長を見たり、共感したり、発見や驚きがない。
ハルヒも含めて主なキャラは全部ステレオタイプだ。
ハルヒは、フルメタル・パニックの千鳥、るろうに剣心の神谷薫(かみや かおる)、あずまんが大王滝野智(たきのとも)と同じ、短気で攻撃的なヒロインだ。キョンは、典型的な受身の男性の主役。To Heartの藤田 浩之(ふじた ひろゆき) 、ラムネの友坂と同じ。長門有希ユキは、ロボットのような内向性。ナデシコのルリ、エヴァのレイ、Happy Lessonの二ノ舞きさらぎ、と同じ気持ちのキャラ。
みくるは、シャイでどぎまぎする、どじっ娘。藍より青しのみなずき、まほろまてぃっくの安藤みなわと同じ。面白いキャラだが、新しいものはない。
最終話は、がっかりした。常套的で、テーマに反している。
ハルヒが本当に望んでいるものは、彼女があらかさまに望んでいたものではなかった。
ハルヒの動機や要求(○○○への愛)がシリーズをとおして、かなり最小限にしか探求されずにいたので、最後の新事実は、幾分、キャラに似合っていないと感じる。
/* ネタバレがあるので、このへんはっきりと書いてない。最終話は、確かにありきたりだったような。日常に復帰する話だから、普通の終わり方で十分なのかもしれない。 */
日本の視聴者は楽しんでいる。これが、願望充足を提供しているからだ。ハルヒたちの高校生活は視聴者が望む、のどかで、すばらしい青春時代だ。
さらに、ハルヒは、リアルではありえないほど、率直で、外交的で、厚かましいので、世界中で好まれると思う。
キョンの実況と、ハルヒの態度は、アニメが何年も使用してきたパロディの一種だ。
Ultimate Teacher、県立地球防衛軍マイアミ・ガンズエクセルサーガみたいな。
ハルヒ作品では視覚より会話のギャグで、より明白で、一見、革新的にしている。



I think that the fan reaction to the Suzumiya Haruhi no Yuutsu anime is based more on how viewers interpret and relate to the show than on criticism of the animation's technical qualities, which is a perfectly reasonable reaction to anime.
作品はいいけど、それがすごいかどうかは、非常に個人的な趣味の問題だ。
個人的に配役に一体感をもたない私のような視聴者は、その作品を客観的に見て、それを楽しむが、傑作とは思わない。
人気と品質は違う。この作品において、それはかなり一致するが、ちょっと人気がありすぎだ。
そのあと、上のしめくくり。
■ジョンはハルヒについては、最初から否定的。私もそんなにファンではなく、一部納得できる。確かにジョンの言うとおり、目新しさはない。それでも、ライブシーンとか、とこどころ技術レベルが異常に高く、作画にかなり力がはいっていた。平均的な作品よりは、おもしろく見れた。人気には、京アニブランドもちょっとあるのかな?
涼宮ハルヒの憂鬱 朝比奈ミクルの冒険 Episode00 通常版
は、ハルヒたちがつくった自主制作映画ということで、それにありがちな、失敗をわざと再現している。何回も見たいとは思わないが、わざと壊してつくるのは、逆にものすごいエネルギーがいるはず。
涼宮ハルヒの憂鬱涼宮ハルヒの憂鬱 角川スニーカー文庫