行動経済学  光文社新書  6点

読み終わった。
○実際の経済活動は、合理的でなく感情によって動いている。さまざまな実験によって、一般的な感情の傾向が明らかになっていく。しかし、退屈で長かった。忙しい人は、4章までを読めばいいのではないだろうか。4章までは、かなりおもしろい。2章あたりは、モンティ・ホール・ジレンマとかパズル問題がでてきて興味深い。ただ、4章は、数式がでてきて、そのうえ、縦書きなので、少し読みにくい。言葉で簡単にいえば、金額が多いほど鈍感になり、確率は、は感覚的に平準化されるということ。たとえば、宝くじで、確率が低くても高く見て、金額が小さくても大きくみてしまう。(数式であらわすともっと複雑なのだが…なんだか、まだ、よくわかってないみたい(^^))
 しかし、これは、一般的な傾向らしい。例外の人も多く、私自身も例外が多かった。
○一般的な感情の傾向なので、誰でもちょっと自分の感情について考えれば、わかるようなことが多い。だから、それほどびっくりするような説はでてこない。6章以下は、その傾向が強く、退屈になってくる。
○まだ、定説になってない、反証のある仮説もあって、生煮え状態の説も紹介されている。たとえば、経済学を学ぶとエゴイストになるという説。確からしいが、否定的な実験結果もあり、結局、確実な結論はでてない。こういうあいまいな話が、ところどころにある。長々と読んで、結論があいまいだとかなりストレスがたまる。
○9章は、まあまあ、おもしろい。人には、規範をやぶる不正を見破る能力が発達しているという説。群淘汰によって、自己犠牲の文化が発達してきたという説。このへんは、読む価値があるかもしれない。
○そんこんなで、本としては、分厚く長いが、興味深い点が多い本でもある。
行動経済学行動経済学 経済は「感情」で動いている