拒否できない日本 アメリカの日本改造が進んでいる (新書)関岡 英之 (著) 6点

ハゲタカファンドが来ると騒ぎ立てる反米思想はうんざりという感じなのでいい印象がなかったが、読んでみると面白かった。経済学を中心にした軽いエッセーのような感じ。ニクソン・ショックプラザ合意フリードマンとかコモンローとか、すぐに忘れてしまいがちな基本的な情報を再確認できる。
 教科書がおもしろくないのは、イデオロギーがないからではないか。中立で客観的に書くと無味乾燥になって退屈だ。(さっぱり勉強する気がおきなかったのはそのせいか? (^^))。しかし、アメリカの魔の手が日本にせまっているという反米思想、なのに誰も知らないという物語が背後にあると、読んでてスリルがあって面白い。
 アメリカの要求にしたがって、次々と日本のシステムが作りかえられていく。もちろん、油断はできないが、あまり、危機感がないのは、自由貿易で巨額の黒字をだしているのは日本の方だし、ハゲタカ・ファンドでズタズタにされたという企業もあまり聞かないからだろう。日産はゴーンさんで復活したし、新生銀行は、振込み料が一部、無料なので便利だし。外資がはいってきたほうが、日本が豊かになる印象が強い。
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