見てよかった。

●(アニメ)うた∽かた  良
○この作品のメッセージは、人は多くの人に支えられて生きている。自己犠牲で示される愛情の美しさ。自分も世界も汚れているが、それはすべてでも真実でもない。変わっていくことができるというもの。こう書いてしまうと、道徳の授業みたいだ。が、前面で、命のやりとりの物語が展開しながら述べられるので、ありふれたセリフでも心に響いてくる。
○見るほうにも感動する準備態勢が必要である。最初、半分寝ながらみたら不満ばかりで何の感動もなかった。起きてもう一回みるといい感じ。これを見るときは、精神を作品に向けて開放して敏感にしておかなければ意味がない。そして、電話のおじさんについては、脳内補完も。
○鏡から生まれたものは、最後には、鏡にもどる。そして、現実のみの世界になる。なにか非日常のものがあらわれて最後に消えるというのは、かぐや姫とかE.Tとか、この手の作品のルールみたいなもので予定調和なのかもしれない。しかし、この消え方がみどころ。自己犠牲の状況も、細かい表情と演技の絵も盛り上った。ここで、「大丈夫これは夢なの」と感情を抑制する方向のセリフが反語になっていておもしろい。このセリフが「うたかた」という題名につながるのだろう。
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