書庫からでてきた

小人たちがこわいので ジョン・ブラックバーン (著) , 菊池 光 (訳)
絶版みたい
5点  ホラー。面白いと言えば面白いけど、なんだかハリウッドのB級映画っぽい。



 
■あらすじ 細かいところはいいかげん
○同じ夢を何度も見ることに悩む男。前世の記憶のようだ。拷問をうけている神を自由にしなければならない。
○主人公の医学者のマーカスは、公害の調査をしていた。原因不明で魚や鳥が死んでいく。D.R.プロダクツという工場が怪しい。その親会社は、ライダークラフト航空である。ライダークラフトの会長がライダーである。
○マーカスの妻は、タニア。マーカスたちは、休暇中で、ロバーツの小屋を借りて住むことにした。ロバーツは判事で、何人もきびしく死刑にしたが、その復讐のためかむごい殺され方をして死んだ。ロバーツ判事は、山(騎士の丘)になにかがうまっていると確信し調査していた。
○ライダーの土地で、ジョン・ラシュトンという歴史学者が山を調査している。土地の人間は、山をおそれていた。伝説によると、古代には、ダランという王がいた。ケルト人が、殺そうとしたが不死だった。配下のものたちは、殺せたが、魂が味方の人間にのりうつっていったらしい。そのあたりは、いろんな伝説があり、あいまいだった。「小人たちがこわいので」という一節がある童謡がつたわっていた。
以下省略

(ネタバレ注意)
■伝説の邪神が復活するという話は、クトルフ神話ものでよく読んだことがある。しかも、人類を細菌で滅亡させてしまう、未遂という壮大な話になっている。悪霊がどんどん乗り移っていく、転生という、ガダラの豚のパターンも、ばかばかしいけど、ホラーなんだからあり。最後は、山が爆破されて、クライマックスとしてふさわしい終わり方。それで、また、悪夢にうなされる人がでてきて、プロローグにもどって終わるのも、王道だし。途中、名前も示されず誰だかわからず、最後まで読めばわかるが、なぞめいたセリフ、行動のエピソードが挿入されるのも、映画でよく見る演出だ。飛行機の騒音を調節して詠唱と同じ波長にして、仲間を集めるというアイディアも、ありえないけど、おもしろい。映画向きの作品かもしれない。