人類が不老不死になって困るのは、進化がストップするということだろう。

オス、メスの遺伝子が混じって新しい多様な遺伝子パターンが生まれる中で生物は進化(環境に適応)してきた。しかし、不老不死の場合、食料などにかぎりがあるので、子供は増やせず、個人単独で進化しなければならなくなる。ウィルスによる進化という説もあるので、ウィルスが遺伝子を運んでくれるかもしれない。また、科学的に人工的に進化させるというのもありだ。それに、何百万年も生きれば、ちょっとずつ遺伝子が変質していき、遺伝子レベルで別の生物に進化しているだろうか。だが、今の人間の構造のままでの不老不死では、脳細胞の新陳代謝がほとんどないので、脳細胞においての進化が無理だろう。脳細胞を殺して、あたらしいものにいれかえていく体内メカニズムが必要だ。しかし、その場合、脳自体、変化していくので、長期的にみると同一人物とはいえなくなる。
○今の人類の一部が、不老不死になった場合、どうなるだろうか。まわりが、進化した新人類で、荒れ果てた地球に適応して、繁栄している中で、自分たちだけが、旧人類としてとりのこされる。旧人類は、激変した地球環境に適応できず、よろめき、病にたおれ、新人類に旧人類狩りをされながら生きていくという悲惨な状況が考えられる。