匿名の世界


匿名の世界では会社などの「ムラ社会」の抑圧から解放されるため、そのストレスを悪口や民族差別で解消する。「他人志向」で自我が弱く、何かを主張するよりも他人の評判を傷つけることに快感を覚える。

http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/47db22512dc2fe36b22b7596361760b9

○日本はなんで、2ちゃん的匿名文化が大きくなったのか。
○2ちゃんというのは、ハンドルネームすらない、本当の匿名。ハンドルをつけると、いやがられるくらいだ。ハンドルを持つということは、過去の一連の発言から一定の人格とブランドとプライドができるということだ。この人格やプライドが嫌われる。出るくいはどんなものでも打つという強い攻撃性と権益嫌いがある。あらゆる権威はひきずりおろされるが、ある程度ひきずりおろしたら、今度は逆に、ひきずりおろそうとする人たちが権威によってたたかれる。弱者が強者をひきずりおろしたら、今度は、思い上がったその弱者をいじめる。カオス状態のフレームがえんえんと続いているようなものだが、たまに、祭りなど、意見が一致して一定の方向へすすんでいくこともあるようだ。
○匿名なので、最初の入り口ははいりやすい、自信がない意見でも、無責任に、さも自信ありげにフレームに突撃していける。そうやってフレームにまきこまれると、匿名なのに、熱くなってきてプライドがかかってきたりする。必死になって相手の論理的な穴をついたり、つかれたりしているうちに、意外と論理的なまともな議論のようになってきたりする。もちろん、それは、2ちゃんでめだつ傾向だが、一側面でしかなく、2ちゃん文化そのものではない。まったりとしているスレも、閑散としているスレもある。アングラ情報も普通に流れている。
○そもそも、こういう文化になってきたのは、基本的に管理してない自由な掲示板だからだろう。ハンドルすら要求しない。何を書き込んでも管理人から怒られることはない。膨大な量の書き込みがあるので、管理なんか無理だろうとみんな感じている。(それでも、違法な書き込みは逮捕されるし、何度も逮捕されているので、法律違反までは普通いかない)。2ちゃん文化のもとは、匿名だからという以前に管理してない自由なところだからというのが基盤だろう。匿名でも、いちいち管理者がでてきて、IPアドレスとかさらされて注意されたら、黙るしかない。管理者の自由放任主義の姿勢が2ちゃん文化をつくったともいえる。2ちゃんでは、管理者への罵倒を書いても、たぶん、管理者から何もいわれないだろう。名無しの誰かにたたかれても。管理者も名誉毀損で何度も有罪になり、補償金の額もばかでかい。普通、掲示板を閉じるか、徹底的に管理しようとするだろう。管理者のタフさにはびっくりする。2ちゃんで、うまく儲かるしくみはできているらしいが。
アメリカのブログの8割は実名だが、日本の9割は匿名とか、アメリカでは実名文化のようだ。
○それは、日米文化の差と見ることも出来る。アメリカは、建前と本音を使い分ける文化ではなく、自己志向の自己主張が強い個人主義で、リアルでも本音をぶつける文化だから匿名文化は必要ない。ムラ社会でなく、個人主義で、人とのなれあいでなく、キリスト教文化によってまとまっている社会であるから。と説明してもよさそうだ。しかし、アメリカだって差別もあれば悪口もあるだろう。匿名でしかいえないこともあるはずだ。2ちゃん匿名文化が発達する余地はあったのに、しなかった。海外にそういう2ちゃん的匿名文化がないとすると、それは、日米の文化の差ではなく、アメリカに2ちゃんのような自由放任主義の管理人がいなかっただけなのかもしれない。
考え中